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付言事項とは?

人は死後に誰かに何かを告げることはできません。
しかし、遺言をする場合、なぜそのような遺言をしたのか、死後に相続人にどのようにしてほしいのかなど、相続人や生前親しかった人に伝えたいことはいろいろあると思います。これらを遺言に付け加えるのが、いわゆる付言事項というものです。

付言事項には、原則として法的な効力は認められませんが、記載があれば相続人が遺言者の意思を尊重し、遺言内容が実現される事は期待できます。

 たとえば、子どものうち1人が一番世話をしてくれたので、その子どもに少し多めに遺産を残そうする場合や、生前に子どものうち1人だけに多額の援助をしたので、ほかの兄弟には相続では多めの財産をあげようとする場合など、遺言書にその理由を書いてないと、遺言書を見た子どもは、自分が実は親に嫌われていたのではないか、などと親の予想に反した受け止め方をしてしまいます。

その結果、相続人間に感情的な対立が生まれ、それが原因で相続がうまく進まないといったことも意外にあるものです。

遺言は、遺族に残す最期のメッセージといえます。遺族のためを思った付言事項が添えられていれば、残された相続人も、故人の意思を尊重してくれるかも知れません。

<付言事項の例>

補充事項とは?

ところで、このようにさまざまな思いが込められている遺言ですが、例えば、高齢の配偶者に相続させる場合など、遺言で財産をあげようと考えていた相手が自分より先に死亡することも残念ながら考えられます。

その遺言が遺贈を定めたものであれば、遺言の効力は失われてしまいますから、せっかく遺言をした意味が失われてしまいます。

こういった事を予防するために、補充遺言を活用してはいかがでしょうか。

補充遺言とは、「甥が生きていたら甥に、もし甥がなくなっていたら甥の長男に」というように第2順位の者を決めて行われる遺言をいいます。

<補充事項の例>